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昨年の夏休みの話。
娘はかつて住んでいた家の近所のお友達の家へお泊りへ行くことになった。
離婚前住んでいた家は新興住宅街ということもあり、
同じような年代の家族がとても多く、娘と同い年、同級生になる子供たちもたくさん住んでいる。
生まれてから気づくとずっといっしょに遊んだり、行動を共にしてきたかつて住んでいた家のすぐ前の家のMちゃんとは『離れてもずっと友達でいようね』と約束しており、
離婚前から夏休みにMちゃんに会いに行くからと娘は何度も口にしていた。
自分の仕事の都合もあり、すぐに遊びに行けるような距離ではなかったので、
なかなか娘とMちゃんの約束を果たせないままきてしまったが、
Mちゃんのママから『愛ちゃんがお泊りに来てくれるのをMもずっと楽しみに待ってるのよ〜
気兼ねはいらないから愛ちゃんをよこしてね』と言ってくれたこともあって、
Mちゃんのママの言葉に甘えて
夏休みに数日間Mちゃんの家にお泊りさせてもらうことになった。
夏休みに入り、Mちゃんや他のお友達と会うために愛は一人飛行機に乗って旅立った。
今回はMちゃんのお家の他にも仲良くしていたKちゃんからも声を掛けてもらい、
Kちゃんの家に2泊お泊りしてから、Mちゃんの家にお泊りすることになっていた。
Mちゃんの家に明日娘がお泊りするという前日の昼間、急にMちゃんのママからメールが入った。
それも『余計な話かもしれないけど』って件名で。
私にとっては一体なんの話だろうとまるで訳がわからない、内容がまるで見えない謎な件名だった。
なんだかとっても嫌〜な気がしつつ、メールを開けてみたら。
?!!!
その内容に私の目は思わず点になった。
思ってもいない話を突然知らされ、面を食らってしまったと言うのか、
なんとも信じがたい話と言うのか
Mちゃんのママからのメールの内容はまさかまさかの内容で本当に思ってもいない話だった。
Мちゃんのママからのメール。
それは事にあろうことか元旦の話だった。
明日娘がMちゃんの家にお泊りするというこの前日に
元旦がなぜかあの家に帰って来ているとわかったという。
Mちゃんのママが気づいたのはさっきだけど、どうやら昨日から家にいるらしい。
家は私たちが家を出てから人の出入りなどなく、
ほとんど空き家同然で家に明かりが灯ることはないに等しい。
それがどうやら昨日から家中の明かりがついていると言う。
Mちゃんがそのことに先に気づいたらしい。
家は任意売却の話が進んでいた最中だった。
売却されるまでは普通に家には住んでいられるらしく、人手に渡るまでは一応元旦の家に違いなかった。
だからと言うのかわからないけど、一年に数回仕事の関係でこっちへ来ることがあったらしいが、
何度かホテル代わりにあの家を使っているらしかった。
と言っても一年に数回あるかないかの話。
その数回に今回のお泊りが当たることになるなんて思ってもいない話だった。
恐ろしい偶然だと思った。
まさか元旦があの家にいるだなんて考えてもいないことだった。
今の状態ならどう考えても元旦と娘は嫌がおうでも再会することになる。
それは私の想定外の話だった。
もちろん元旦には娘がMちゃんの家にお泊りするだなんて伝えていない。
元旦ももちろん娘がこっちに来ているだなんて思ってもいないだろう。
これは偶然の一致。
運命のイタズラ?!
いいえ、最初から元旦と愛が会うことは決まっていたのかもしれない。
元旦もまさか愛と会うことになるなんて考えていないはずだった。
元旦にとっても想定外の話だったはず。
思ってもいない話は私だけじゃなかった。
元旦は絶対に焦るに違いない。
『これはまずいことになってしまった』と。
まぁ私と元旦の場合、その意味合いがまるで違うのだけど。
なぜなら元旦は一人ではなかったから。
女連れ、それもなぜか子持ちのご一行様といっしょだったみたいだから。
Mちゃんは見ていた、元旦が一人で帰ってきた訳じゃないことを。
女の人といっしょに小学生の女の子と男の子が元旦の車から降り、
共に家に入って行ったのを見たらしい。
出張でホテル代わりにあの家を使ったとしても全部の部屋に明かりが灯ることはない。
元旦以外の誰かが家にいることは間違いようのない事実だった。
Mちゃんの見間違いではなかった。
Mちゃんのママは自分の目を思わず疑った。
『まさか、まさかね』って。
私に『愛ちゃんと同じぐらいの年の親戚がいる?』って確認するように聞いたけれど、
残念ながら親戚に愛と同じくらいの年の子供はいない。
Mちゃんのママからの話を聞いた時、これは間違いなく親戚とか友達の親子なんかではなく、
元旦と深い関わりを持つ女性なんだろうってすぐにそう感じた。
私の直感だった。
きっと今後何らかの言い訳をするに違いないが(私に対してじゃなく愛に対して)
私の目はごまかせない。
って言うよりMちゃんのママも疑ってしまう話なんだから、普通に考えたらおかしいだろって話です。
万が一元旦の友達の家族だったとしても、家族ぐるみで仲良くしていたとしても
父親不在の中で、元旦といっしょに家にお泊りするのはいかがなものかと思うし、
それにMちゃんのママはあの家を見張っていた訳では決してないが、
元旦といっしょに家に入ったまま、家に明かりはついているけれど、
その親子が家から出入りする様子はあまりないように見えたようだ。
観光で向こうから遊びに来たのだとしたら、家に閉じこもっているのではなく、
元旦抜きであちこちに出掛けたりしないだろうか。
たとえ数日でも元旦の帰りを待っているかのような、そんな過ごし方はしないと思う。
自分たちの使っていた布団やベッドはそのままにして出てきた。
それをあの親子が使っているとしたら。。。
元旦はそんなことなど別に気にも留めていなかったのだろうが、
男と女の感覚は違うのかもしれないが、そう考えたら元旦の神経を思わず疑った。
元旦は一人でじっとしているような男ではない。
借金の影ももちろんあったけれど、女の影もずっとあったことも事実で、
向こうへ行ってからは一人自由によろしくやっていることもよく私にはわかっていた。
だから女がいたとしても全然おかしくないし、ご自由にどうぞと思っていたけれど、
離婚後だから女を作ろうとよろしくやっていようと私には関係のない話だったけれど、
今回ばかりは少し事情が違った。
愛の前でそれは酷すぎる話だと思った。
娘はその辺の大人の事情ってものをまだまだ知らないし、わかっていない。
今回自分の父親に知らない家族連れがいっしょで、
かつて住んでいた自分たちの家に仲良く出入りする姿を目にして愛がどう思うか
それが問題だった。
まだ幼い愛が何を感じ、どう思い、何をどこまで理解できるかわからない。
Mちゃんのママも愛のことが気がかりで仕方なくなって私に連絡してきたのだ。
『愛ちゃんがもっと大きくなって理解できる年ならよかったんだけど。。。
仕方のない話かもしれないけど、このまま出会わずに向こうに早く帰って欲しいよ』
それがMちゃんのママの本音だった。
でもそうは現実うまくいくはずがない。
そう言うMちゃんのママは
元旦に愛ちゃんが明日来ることを伝えるべきか
伝えない方がいいのか考え悩み、私に連絡を入れた。
Mちゃんのママは本当は自分が口を挟む問題ではないとわかってた。
これが仕方のない話だという事も。
でも目の前でこのまま愛と元旦が再会するのを黙って見ていられなかったのだと思う。
愛のことがいたたまれなくて仕方なかったのだと思う。
どうすべきか、私はしばらくずっと考えた。
元旦に娘が明日ここへ来ることを伝えるべきか、
それともこのまま偶然を装い、再会を待つべきか。
愛のためにできることは何だろうと。
愛のことは出来るなら傷つけたくはない。
離れていても口に出さなくても元旦のことがだいすきな気持ちは愛の中で変わらない。
そんな父親が自分以外の同い年ぐらいの子供に優しいまなざしを向け、
娘がもう出入りすることのないあの家に堂々と入っていくなんて想像もしていないだろう。
どんなに幼くたって感じるものはあるはず。
ショックを受けるかもしれない。
傷つくかもしれない。
楽しいお泊りが一転して悲しいお泊りに変わってしまうかもしれない。
でも。
それでも厳しいかもしれないけれど、傷つくかもしれないけど、これが現実。
確かにまだ幼いかもしれないけど、今の自分の父親の姿を見た方がいいと思った。
元旦には元旦の人生があり、私たちには私たちの人生があり、それぞれ歩んでいく道は違う。
元旦が将来誰かと再婚する可能性だってある。
いつまでも愛だけの父親であり続けるとは限らない。
今ごまかしたとしてもいずれ気づく時が来るだろう。
きっとこれには意味がある。
今回偶然にしてもこうなるにはこうなるだけの意味が必ずあるに違いない。
何日か愛がお泊りの日をずらしていたら、元旦が別な日にちに帰ってきたのなら
こんなことにはならなかった。
きっとこれは偶然なんかじゃない。
偶然にこれから翻弄される訳でもない。
こうなることはきっと前から決まっていた。
偶然じゃなく、きっと必然。
愛にとっては厳しい現実になろうとその現実を受け止めて欲しい。
そう強く強く願った私の願いは果たして娘に届くでしょうか。
それぞれまったく別な思いを胸に長い長い一夜が明けることになりました。
私の予想とはまた違った娘と元旦の再会。
さてさてどんな再会の形になったでしょうか。
その話はまた後日させて下さいね。
いつも長くて、なかなか終わらなくてすみません。。。
もうすぐ終わりを迎えます。
それまであとちょっとおつき合い下さいね。
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元旦と離婚して1年数ヶ月が過ぎた。
すっかり実家での生活にも慣れ、娘と私は穏やかで静かな毎日を送っていた。
もしかしたら離婚したことを後悔する日々がやってくるのではないだろうかと
ふと考えたことがあった。
毎日を暮らしていくのに精一杯で余計なことなど考えられなかったのかもしれませんが、
後悔度0%宣言をしてもいいくらい、
後悔する気持ちは私の中でまったくと言ってありませんでした。
あんなに悩み苦しんでいた暗黒時代が嘘だぴょ〜んと言うくらい、
晴れ晴れしく気持ちいいくらいにすっきりです。
紆余曲折、人生山あり谷あり、崖っぷちあり、
一歩進んで十歩下がるような激しい人生を自ら進んで歩んでしまったけれど、
もうそれはすべて過去の話になり、
今は前を向き、一歩一歩元気にゆっくりなペースだけど、
先に見える温かい希望の光の差す方へ向かって歩いていける毎日になりました。
私たちのリアルタイムの生活に元旦はもういない。
影も形もない。
元旦っていう存在すら忘れていることが多くなった。
元旦の存在を思い出すのは決まってクリスマス前。
一年に一度のイベントを楽しみにしている娘宛てに元旦から連絡が入る。
娘のクリスマスプレゼントのリクエストを聞くための電話だ。
養育費の他にクリスマスプレゼントと誕生日プレゼントやお年玉をまだ離婚してから2年しかたっていないが、元旦は娘のために送ってくる。
形だけかもしれないけど、娘の存在は
ちゃんと元旦の中で変わらずあり続けているような気がする。
パパの存在を忘れて欲しくないからか、
ただ単に娘の前でいい格好をしたいだけなのか、
たった一人の娘であることに今更ながら気付いたからなのか、
父親としての義務を果たそうとしているのか、
それとも元旦なりの娘へ想う愛の形なのか、
どれが本当の気持ちなのかはわからないけれど、
娘が今の元旦にとってどうでもいい存在ではないと思う。
本当にどうでもよかったら、養育費もプレゼントも送ってこないはずだと思うから。
元旦の中で娘の存在がどれだけの割合を占めているのかわからないけれど、
少なくてもどうでもいいってレベルではないと思う。
娘だけのことじゃなく、昔から人の誕生日やイベント事と言うとあれこれ機転をきかし、
事細かく迅速に動くマメマメマーメな男だから
イベント事にフットワークが自然に軽くなるのは
元旦の中では大したことじゃなく、ごくごく普通なことなのかもしれないけど。
この先恋人ができたり、再婚でもしようものなら、娘の存在は途端に小さくなってしまうのかもしれないけど。
元旦とは一年に何度か電話で娘のことや家の任意売却の件で多少話すことはあったが、
離婚してから一度も会ったことはない。
娘とももちろん会ってもいない。
私的には特別会わせないようにしていた訳ではないけれど、
出来ればまだ会って欲しくないという気持ちが強かった。
娘の父親に対するイメージは離婚前とちっとも変わっていない。
父親のしでかした行為によって離婚することになってしまったという事実は受け止めているけれど、
元旦のことは決して嫌いになった訳じゃない。
元旦に冷たくされた訳でもなければ、怒られていた訳でもなく、
どちらかと言うと表面上はかわいがられていた方だと思う。
もちろん子供だましの面はあったのだけど、
娘はまだ小さかったこともあってそのことに娘自身まだ気付けない。
今の状態で元旦に会えば、ほんのひとときではあるけど、
娘にとって至れり尽くせり状態のまま過去を振り返るようになり、
実家での今の生活をついつい忘れがちになってしまうのは目に見えていた。
母親としてと言うより私のエゴになってしまうが、
まだ幼い娘の心があちこちに揺れてしまうのを見たくはなかった。
だから元旦に会うのは娘の心が成長し、
物事を自分でちゃんと考えられるようになってから会うのがいいと一人で勝手にそう思っていました。
私の母はしつけには厳しく、孫には決して甘いおばぁちゃんではない。
私の教育がなってないとダメ出しも今まで何度もされている。
(頭の痛い話です、とほほ。。。)
すっかり今の生活に慣れたとは言え、二人きりで過ごしていた離婚前の生活とは違い、
勝手が違う実家での生活は娘にとっては面を食らうことが多く、
完全にこちらでの生活に溶け込むまでまだしばらく時間を費やす必要があると考えていた。
そんな中元旦と会うと考えたら。
どんなことを元旦が聞き出し、どんな話を娘が元旦にしてしまうのかも不安材料になった。
元旦が突然何か言い出す可能性も否定できず、
父親と会う権利は子供にもちろんあってしかるべき話なのだけど、
それは私が決めるべき話ではないとわかってはいたけれど、
出来るならまだ会って欲しくはないというのが私の本音でした。
娘の気持ち、ちっとも考えていないダメダメな母です。。。
簡単に行き来できるような距離ではないことが幸いしてか、
離婚後元旦が『娘に会わせて欲しい』という話もなく、
その点においては私たちの視界に元旦が見え隠れすることもないので、安心した生活を送っていた。
ところが、昨年の夏、意外な場面で本当に偶然な話だが、
ばったり元旦と再会することになった。
私ではなく、娘が久しぶりに元旦と再会する。
それも思いがけないシチュエーションで。
人生、どこでどんな形の出会いが待ち受けているのか本当にわからないもの。
そのことを改めて感じることになった娘と元旦の偶然の再会でした。
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